マインクラフト|Minecraft

もはやゲームとは呼べないマインクラフト(Minecraft)の世界観

放課後キャンパスクラブでは、マインクラフト(Minecraft)「通称マイクラ」というゲームを体験できる機会を提供しています。大人は「ゲームばっかりやって!」と言いがちですが、近年そのゲームとしての面白さのみならず《学習効果 》にも注目が集まっています。

MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボで開発された Scratch(スクラッチ)と同じようなビジュアルプログラミングの学習環境をマインクラフトでも利用することができます。

MakeCode(メイクコード)でプログラミング

でも、それだと「プログラミングの勉強をさせられている」と感じてしまう子もいると考えています。ビジュアルプログラミングは考えてブロックを組み合わせて命令文を作り、Agent(エージェント)と呼ばれるロボットを動かします。

条件分岐や繰り返しなど、プログラミングの基礎をMinecraft(マインクラフト)のゲームを動かして楽しく学ぶことができる反面、それらを勉強して理解しなくてはなりません。そして、勉強は受動的でやらされていること、対して学びは能動的で好きなものに熱中できること、と捉えています。だから、遊びの中で好きなものに熱中し学べる取り組みが良いと考えています。

だから、放課後キャンパスクラブでは子ども達がワクワクできるものに出会えるように、いろんなプログラムを提供していきます。

自閉スペクトラム症の子どもに第3の居場所を!

障害がある子どもたちの居場所は単一です。たとえば発達に障害がある子どもが放課後を過ごせる場所は、自宅か放課後等デイサービスしかありません。そこで体験できることも、ごくわずかです。だから、まず放課後の時間から障害がある無しに関わらず、誰もが安心して過ごすことができる居場所を作りたいと考えています。

そこでマインクラフトの世界で、主に自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが社会性を学ぶことができるコミュニティを作りました。その名も『キャンパスクラフト|Campuscraft』です。お子さんが自閉スペクトラム症で、Java 版マインクラフト(PC)を所持している場合、参加申し込み・ホワイトリストへの登録申請を経て、他のプレイヤーと一緒に遊ぶことが可能になります。いつでもご参加いただけるマイクラのマルチプレイサーバーです(6時~20時)

参加のお申し込みはこちらから

Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC

創造、探求、サバイバル、リピート。Java 版 Minecraft と Bedrock 版 Minecraft を Windows 用パッケージで入手しましょう!Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC では、統一されたランチャーを使用して簡単にゲームを切り替えることができ、現在発売されているすべてのエディションとクロスプレイすることができます。
https://www.minecraft.net/ja-jp/store/minecraft-java-bedrock-edition-pc

この取り組みはアメリカで活動している池上英子教授とスチュアート・ダンカンさん、ふたりの存在を知って参考にさせていただきました。最近よく聞かれるようになった「メタバース(インターネットを介して利用する仮想空間)」で他者とコミュニケーションを取りながら自由な世界で過ごすことができます。

キャンパスクラフト|Campuscraft
一緒に世界を発展させて行きましょう!
ミーティングルーム

仮想空間のグループセラピー

先日、池上英子教授の講演を拝聴してセカンドライフ(Second Life)で自己表現をする自閉症のアメリカ人の様子を伺いました。仮想空間で自閉症の当事者グループの会合が行われているそうです。よく映画やドラマで輪になって悩みを打ち明けるシーンを観たことがあると思いますが、いわゆるグループセラピーにアバター(分身のキャラクター)を介して参加することができます。現実世界では他人とのコミュニケーションに課題を抱えている人でも、仮想空間の中ではとてもスムーズに交流していて、自然な会話の流れに驚いたそうです。でも、なぜ現実世界と仮想空間でコミュニケーションに違いが起こるのか、不思議ですよね。池上教授によると、

「自閉スペクトラム症の人の中には、話しぶりや表情、視線などから話し言葉で表現されていない細かなニュアンスを読み取ったり、表現したりする、といったコミュニケーションが苦手な人が少なくありません。ですが、仮想空間のアバターにはそうした微妙な表情がありませんし、全員視線も定まりません。文字によるチャットなので、口調から微妙な本音などを察するといった必要もありません。また、自閉症の人の中には、周囲の音やにおい、光などの周囲の刺激や慣れない環境が苦手な人も少なくありません。でも、仮想空間の中で交流する場合、自分自身は自宅のソファなどで過ごしやすい環境に身を置いて、パソコンを操ることができます。そのため余計な刺激を受けずに、安定してコミュニケーションできるのだと思います」

仮想空間ではコミュニケーションも円滑に

混沌とした誤解に満ちた世界から安全に逃れるための場所

アウトクラフト(Autcraft)を創設したスチュアート・ダンカンさん。彼自身もアスペルガー症候群を持ち、自閉症の子どもを育てる父親でもあります。そんな『アウトクラフト』では、自閉症の子ども達が社会的スキルを学ぶ場にもなっている。自閉症の子とその家族のために作られたマインクラフトの世界は、そんな子ども達のサードプレイスになっているそうです。

アウトクラフト(Autcraft)
https://www.autcraft.com/

バスフィードニュース(Buzz Feed News)の記事

This “Minecraft” Community Is Saving The Lives Of Children With Autism
https://www.buzzfeednews.com/article/charliewarzel/this-minecraft-community-is-saving-the-lives-of-children-wit

論文